淡路市の住宅「土地を継ぐ家」瓦屋根
2024/11/17
メインの屋根である瓦葺きが完成しました。
瓦は大栄窯業さんの「銀古美」で軒は一文字です。
瓦屋根を採用することは設計を始めたときから決めていた。
自分が住んでいる集落の風景、自分の記憶、大切にしたいもの、屋根としての性能、など考えても瓦屋根しか思い浮かばなかった。
どんな瓦にするか、集落には昔からあるいぶし銀の瓦屋根で葺かれた建物がまだまだ残っていて、この風景を残したいという気持ちがあったので、従来通りのいぶし銀の瓦を考えていた。
けれでも、ある日近くの宝生寺が建て替えになり見に行く機会があった。
この建物の屋根の美しさに驚きました。これを見て、「銀古美」にしようと決めました。
https://gajin.hatenablog.com/entry/2024/07/16/174518
これまでの風景をそのまま継ぐのではなく、素材はそのままに現代のやり方で素材への考え方を更新していく、これこそ「土地を継ぐ」ことになるかなと考えた。
作り手の思い
屋根が完成して、この素材にしてよかったなと実感しています。美しさはもちろんあるのですが、瓦は葺くのに少し手間のかかるもので、職人さんが一つ一つ丁寧に葺いてくれる。その様子をまじかで見ることで、大人はもちろん、子どもたちは建物に対してとても愛着をもつことができる、「屋根ってこんな風に出来るんだ」を実体験しています。そして、「銀古美」は作り手の思いにあふれている。現場でのエピソードで瓦師の道上さんが私の母親にこの瓦のこと、瓦への思いについて熱く語ってくれたという、母親はそういうことを聞くと「屋根の見方が変わる」と言っていました。作り手の思いは使い手にしっかりと伝わるのだと思います。
表情豊かな瓦
この建物は東の裏山方向に開けているので、朝日から日が高くなるまで、とても陽がよく当たる、それによって瓦にあたる光の方向が変わり色々な場面をみせてくれます。この風景は母屋からよく見えるので、家族(特に子どもたち)はこの風景を見ながら日々を過ごし成長します。このことがどんな影響を与えるかはわからないけれど、とてもいいことだと感じています。
道からは見えにくいのが残念なので、長い将来は母屋のあり方と含めて考えていきたい。
淡路島のものを淡路島で
淡路島で生まれたものを淡路島で使えていることに喜びを感じている。今風にいうと脱炭素といいた文脈で地産地消は語られるのかもしれないけれど、人として単純にワクワクするのではないかと思っている。どこで作ったのかわからないものでなく、あそこであの人が作ったものを自分の暮らしと人生に取り入れていく、これは人としての満足感をもたらすのではないかと思っている。
他の素材との相性も楽しみ
外壁は焼杉板を採用している。瓦のグレーと杉板の色味がどんな相性を生み出してくれるのか。そして、この2つの材料は経年変化する自然素材なのでその経年変化がどうなるのか、それも楽しみである。
屋根でいうと、今回は瓦屋根とソーラー一体型金属屋根を組み合わせている。この2つがどんな融合を見せてくれるのかも楽しみにしている。
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