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淡路島の住宅「土地を継ぐ家」解体

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淡路島の住宅「土地を継ぐ家」解体

淡路島の住宅「土地を継ぐ家」解体

2024/06/16

少し前になるが、自宅の「離れ」を解体した。
解体してからの風景の写真、解体することで発見があった、敷地の間口いっぱいに2階建くらいの高さで建っていたのだが、それがなくなることで中庭からこの風景が広がることがわかった。母家の2階からかろうじて山が見えていたが、庭から見るとこんなに気持ちがいい、この敷地の良さである。「今あるものは大きすぎるので解体しよう」という感覚は間違ってなかったと思う。

解体することは何か悲しさがある。建物に思い出があるので仕方がないのだが。「残せたかもしれない」という気持ちはずっと持ち続けるのかもしれない、それだけ使い込んでいた建物だとも言えるのだろう。最も忘れられないのは阪神・淡路大震災のときにはこの離れは倒壊しなかったので家族で住んでいた。緊急だったので狭かったけど、よく覚えている。私の母や祖母はこの家に何十年も住んでいるので、さらに思い出があるだろう。梁には棟梁の名が刻まれていて、それは2件隣のご近所さんの大お爺さんだった。かつては地域で材料を準備して地域の人が建物を建てていたのだろう。

解体の前に大変だったのは、やはり「片付け」である。田舎の家であればいや田舎の家でなくても実家には大量も物があるという人も少なくないのではないか。農機具や大量の食器、いろいろな時代のものが大量においてあった。残したかったものがたくさんあるのだが、残してしまうと「子どもたち世代が片づけないといけなくなる」と母を説得してかなり減らしてもらった。同じような家はたくさんあると思う、少しずつなんとかしなければいけないような気がするがどうすればいいのかはわからない。ただ残すことがいいことだとは思わない。日本全体にものが溜まっているとも言えるのではないか。

解体すると建物の分だけでもやはり大量のゴミがでる。ただ、ゴミがとてもシンプルだった。さすが石破建ての木造住宅である。でてくるゴミの大半は木材と小舞壁の土や屋根瓦の葺き土、小舞壁の竹などであった。この建物が建てられたときには無かったということもあるのだろうが、人工的に作られたものがほとんど出てこない。今の家を解体するともちろん断熱材やコンクリート、壁紙、石膏ボードなどがでてくるのだろう。

倒壊したわけでもないのに建物を解体することは何か寂しいものだ。「古い物はいいものだ、残した方がいい」というのは正しい意見だと思う。私はこの土地を自分の世代、そして子どもたちとその子どもたちに渡していくことを考えて解体の道を選んだ。この土地を子どもたちが持ち続けなければいけないということはないのだろうけれど、自分の家族が持たなくなるときは自然に帰るというか山になるときなのだという感覚があるのでそれも踏まえて考える必要がある。
「今やっておいてよかったかもしれないね」と母は言ってくれた。片付けは大変だったし寂しさもあると思うのだが、さらに高齢になってからではもっと大変だったと思う。こうした決断は後回しにする方が当事者の気持ちは楽なので、「建物が大丈夫なのだから置いておこう」という考えになることがあると思うし、それも正しいと思う。しかし、人口減少・少子高齢化を進む田舎がものを持ち続けることができるのだろうか、どこかで誰かに負担がいかないだろうか、そうした考えをもつことも大切だと思う。「大きすぎる・持ちすぎる」ものをスリムにシンプルにしていくことも未来にできることなのかもしれない。
そのときに大切なのは「本当に大切なもの」や「意味あるもの」を忘れないことだと思う。解体することにはいい面もあった、そう思っている。

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