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淡路島の住宅「土地を継ぎ家」今ある家をどうするか

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淡路島の住宅「土地を継ぐ家」今ある家をどうするか

淡路島の住宅「土地を継ぐ家」今ある家をどうするか

2024/06/09

今回はこの建物を残すかどうか悩んだ末の判断について。

「古いものは残すべき、残した方がいい」という価値観は大切である。
どんな建物でも技術を駆使すれば再生させる方法は見つかると思う。

まずなぜ保存しないかということだが、前回も触れたように、小舞壁がかなり劣化していて、石場立ての柱は基礎からずれているところも結構ある。安全のために何とかしないといけない。
私が「解体」という選択をした理由は大きく2つある。

1つめはこの土地を継ぐためにきちんと更新していく必要があるということ。
ここでいう更新とは、大きすぎるものを小さく更新するということを意味している。
この建物について考えているのは私だが、これを建てたのはおそらく私の祖父の祖父くらいだと思う。

同じように今更新する建物は(おそらく血縁の)誰かが面倒をみないといけない。
血縁が面倒をみないといけないという考えは住む地域に理由がある。他者に土地を渡すことはまずないと思っているからである。(もちろん未来はわからないし、この集落自体が将来は無いかもしれない)つまり、この建物のことは私の子どもやその子どもが面倒を見ていく必要がある。その世代がこの土地で暮らすかどうかはわからないし、子どもがいるかもわからない。そうした視点にたつと、今あるものが「大きすぎる」と感じていて、「小さな暮らし」を実現するために建物を解体して更新させる。という決断をした。

 

2つめは古いものを残すことに価値はあるが、費用対効果も大切である。
しっかりと試算したわけではないが、求めている暮らしを建物を残しながら実現するためにはおそらくコストがかかると思っている。元々は牛を世話するための建物だった隙間だらけの建物を暮らしやすいように更新していくのはけっこう大変である。
ダメなところばかりではなく、いいところもある。昔の建物だけに、おそらく山取りであろう梁が堂々と架かっている大きな気積の空間は魅力がある。職人技を感じる小舞壁も今にはなかなかない手間がかかったものである。そうしたものたちを失うのは非常に気が引けるのだが、その気持ちを大切にしながら更新を決断した。更新するとしてもこの建物が持っていたものは何らかの形で引き継ぐつもりで。

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淡路島で個性を生かした戸建て

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